ドライボックスを使ってフィラメントを湿気から守る

3Dプリントの印刷品質を常に良い状態に保つにはフィラメントの保存に気を遣う必要があります。

プリンター付属のフォルダーにセットしたまましばらく放置してしまった日にはその後の造形物が残念なことになりかねません。

ここでは私自身が使用しているドライボックスによる吸湿対策をご紹介していきます。

目次
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フィラメントが吸湿するとどうなるのか

フィラメントの流動性が変化する

吸湿したフィラメントは流動性が変わってくるようです。溶かされたフィラメントは一定の粘度を持っていますが、吸湿してしまうと粘度にムラが出てしまいます。

粘度にムラが出てしまうので一定の太さの印刷が困難になり、印刷結果が非常に悪くなります。

フィラメントの水蒸気爆発

フィラメント内部の水分が水蒸気となって膨張する為、印刷時にパチパチ音を発するようになります。こうなると所々巣が空いたような印刷結果になってしまいます。

これらは私が実際に経験したPLA・PETGでの現象になります。

フィラメントの吸湿対策

フィラメントは吸湿してしまうと除湿に手間が掛かってしまうので、吸湿させないのが一番の対策になります。幾つか吸湿対策に役立つアイテムをご紹介します。

自作防湿ケース・ドライボックス

ドライボックスとして販売されている物は最初からシーリング処理がされていてすぐに使えます。サイズ種類も多く湿度計が付いている物も多いので湿度管理もし易くなります。

何より専用ですから安心して使う事ができます。

自作の場合はホームセンターなどできっちり蓋が閉まり密閉度の高そうなものを選びます。保管するフィラメント数からサイズも考えて選定します。

普通のボックスでは密閉度は期待できませんからゴムなどでシーリングを追加する必要があります。

湿度計は当然ながら付いていませんから自身で準備する必要があります。

除湿器付きドライボックス

フィラメント1個に対してドライボックス1個必要になります。

除湿機能付きですので除湿を掛けながら印刷が出来る利点は大きいと思います。

除湿器を用意する事を考えると1台あると便利かと思います。

ただ印刷をしているとフィラメントは複数持つことになると思いますので、これ1台だけでは厳しいかと思われます。

真空圧縮袋

布団圧縮袋の様に真空状態で保存します。ボックスのように嵩張らないのが良いです。空気を抜く手間が掛かってしまうのが難点でしょうか。手持ちのリールが少ない内は重宝しそうです。

小まめにフィラメントを入れ替える場合は袋の耐久性が気にかかるところです。

現在使用しているドライボックス

私自身が使用しているドライボックスです。

同じドライボックスを2個使用していて1個は保存用として、もう1個は保存&印刷用としています。

保存用のドライボックスは未加工で、湿度計だけデジタル式の物に交換しています。

フィラメントは横積みで4個、縦にして2個の計6個保管できています。

保存&印刷用は湿度計を保存用と同じデジタル式にするのに加え、フィラメント引き出し用の穴あけ加工を施しています。

所々アルミテープが貼ってありますが、ドライボックスの配置に合わせてフィラメントの引き出し位置を変更できるように穴を空けてあるためアルミテープで外気を遮断しています。

こちらのボックスには基本的に印刷中のフィラメントのみを入れるようにしていますが、引き出し口を端にすれば合計で3個は入れておけます。ホルダーを準備すればシャフトに通してプラス1~2個は行けると思いますが交換が面倒なので基本的に1個での運用です。

乾燥材に関して

ドライボックスに乾燥材は必須です。

乾燥材は吸湿したら使用不可なので湿度計の値が変動し始めたら交換しないといけません。

再利用可能なシリカゲルを使用すれ再利用回数に限りがあるにしても、使い捨ての乾燥材を使うより環境にもやさしいですしお財布にもやさしいです。

まとめ

いかがでしたか、一番大事なのはフィラメントを吸湿させない事に尽きます。

とはいえ「購入時で既に吸湿していた」なんてイレギュラーな事があるのも困りものなのですが、まずは吸湿させない対策を第一に考える必要があると思います。

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