DVDプロッターの存在はだいぶ前から知っていて作ってみたいとは思っていましたが、部品集めを考えると踏み切れずにいました。
今ではネットで制作動画も沢山見られるようになって益々作りたくなってきましたので制作してみる事にしました。
ここではDVDプロッターを作るのに必要な材料と実際に制作したDVDプロッターについてご紹介していきます。
DVDプロッターとは
DVDドライブに使われているステッピングモーターをマイコンにより制御して文字や図形を書くことができるハードウェアです。
X、Y、Z軸がそれぞれ独立に動作して複雑な図形も描くことができます。
Z軸に関してはサーボモーターを利用してペンの上げ下げをするものとステッピングモーターにて上げ下げする方法があります。
ここで制作したDVDプロッターはDVDドライブのステッピングモーターとArduinoを基本としてZ軸はステッピングモーターを使って駆動させています。
DVDプロッター制作に必要なもの
・DVDドライブ
ステッピングモーターが使われている必要があります。
ブルーレイドライブでも使われているはずですが、CDドライブではギア式が多いので注意が必要です。
PCを扱っているリサイクルショップで購入出来ると思われます。
私の場合は足りない分のドライブはリサイクルショップより入手しました。
・Arduino UNO
純正品でも互換品でもどちらでも問題なく使用できます。
・CNCシールド
単体かモータドライバのセットを入手します。
・ステッピングモータードライバ
CNCシールドを単品として入手した場合には別途モータドライバが必要です。
今回のDVDプロッターを動作させるにはX、Y、Z各軸に1個づつの計3個必要です。
・ACアダプタ(DC12V)
ステッピングモーターの電源として必要です。
※ArduinoUNO、CNCシールドの情報はこちらをご覧ください。
完成品と各パーツの紹介
制作過程の詳細はありませんので各パーツの写真をご覧ください。
基本的にDVDドライブのフレームをそのまま利用すれば組み上げるのはそこまで大変ではないと思います。
ステッピングモーターユニットを取り外した状態です。
左側のユニットはスリムタイプのDVDドライブでZ軸に使う予定でしたが、結局すべて右側のサイズのユニットを使用しました。
既に色々付いてしまっていますが、ユニットのフレーム部分には一切の加工はしていません。ピックアップレンズが乗っているモジュールは中身をすべて取り出しアルミを削り出したベースをねじ止めしています。
Z軸をサーボモーター仕様にするならここまでする必要はまったくありません。
Z軸をステッピングモーター仕様にしたので、テーブルの水平度をしっかり出す必要があって、3Dプリンタの様にねじとスプリングでテーブルの水平度を出せるようにしてあります。
白い樹脂パーツはリミットスイッチ用に付けてあります。
基板に付いている部品がリミットスイッチになります。
まったく同じユニットをX軸用とY軸用の2個作りました。
Z軸はシャフト間を狭くしたかったので、ピックアップレンズのモジュールを切断して幅を詰めてあります。その関係でユニット自体が使えなくなるのでアルミで新造しました。
サーボモーターを使用する場合はこんな面倒な事はしなくて済みます。
Z軸のリミットもX軸、Y軸と同じです。基板同士が分離してしまっているので配線で繋いでいるくらいです。
t3アルミ板を切り出して強度確保の為にt8アルミ板をねじ止めしてあります。
手持ちの材料を利用したのでこうなりましたが、今から作るならMDF板辺りを利用して作れば十分な強度が出ます。
実際仮の組み立てでは100均で購入したMDF板を使用して強度は問題ありませんでした。
CNCシールドは背面の適当な場所にねじ止めです。
急ぎ足でしたが完成したDVDプロッターになります。
テーブルはt1のアルミ板とDVDドライブを分解した時に出たケースを切り出して接着してあります。ケースは鉄製ですので磁石で用紙を抑える事が出来るようになっています。
ちゃっかり映っているペンは自作です。内部にスプリングを仕込んでいるのでペン先が引っ込むようになっています。Z軸がステッピングモーター式なのでペン先が逃げられる様になっている訳です。
DVDプロッターの残念な点と良かった点
残念な点
・有効範囲が小さい
これに尽きます。ある意味致命的とも言えますが・・・
ステッピングモーターの有効範囲は約40mmなんですが、リミットスイッチを付けてあるので実質35mm程度になっています。
・毎回Z軸のゼロ点出しが必要
サーボモーター仕様なら必要ないですが、ステッピングモーターを使用しているので電源を切るとゼロ点が失われてしまいます。水平出しはしてあるのでどこか1点で出せばよいです。でも面倒です。
良かった点
ジャンクパーツを再利用できるのは利点かもしれません。CNC動作の基本を学べるというのも大きいと思います。
何より動いているのを見ているとワクワクします(笑
このワクワクの為なら描画範囲が狭いのも許せてしまいます。
DVDプロッターの拡張性
Z軸にレーザーモジュールを接続してレーザーカッターを作っている方もいますし、3Dプリンタ化している猛者も居たりします。
やっている事はCNCマシンと同じですからアイデア次第でそれなりの拡張性はあるのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたか。描画範囲が狭いというデメリットはありますが自動で動いている様はずっと見ていられる魅力があります。
本格的なCNCマシンを作ろうと思ったら部品集めだけでも大変ですし、きちんと設計しないとまともに動かないものが出来てしまいます。
その点DVDプロッターなら駆動系は動くことが分かっていますから気楽に作れて楽しめると思います。