マイコンで開発を始めると避けては通れないのがデバッグ作業です。
プログラムの行数が増える程バグが混入する可能性が高くなります。
極小規模なプログラムならコードをひたすら追ってデバッグも出来ますが規模が大きくなってくるとそうもいかなくなります。
それに動作中のマイコンの内部変数等は当然ながら外からは見えませんからそれらを確認する必要があります。
そこで便利なのがパソコンと繋いで情報のやり取りをする方法です。
FT232RL USBシリアル変換モジュールキットはPCとマイコンの橋渡しをしてくれる便利なハードです。
FT232RL USBシリアル変換モジュールキットで何ができるの?
以前のPCにはCOM(シリアル)ポートが標準で搭載されていました。
パソコン通信が全盛の時にはモデムを接続して通信にも使用されていたんです。
D-SUB9ピンとD-SUB25ピンがありますがD-SUB9ピンが広く利用されました。
現在はUSBが標準で搭載されていてほぼ見なくなりましたが、シリアルポートがあるとマイコンと簡単に通信出来たりします。
USBシリアル変換モジュールは仮想的なシリアルポート(仮想COM)をPCに追加してPCと接続した外部機器と通信を仲介するハードになります。
ただし、このモジュールはTTLレベルですので0V-5V範囲を扱うマイコンや機器等で使用します。
USBに接続されたUSBシリアル変換モジュールは例えばマイコンと通信するためにターミナルソフトが必要です。
私が利用させて頂いているのは「TeraTerm」でWindows10 Pro x64環境で問題なく使えています。
FT232RL USBシリアル変換モジュールキットが便利な理由
PCとの通信無しでデバッグする場合、情報表示用に液晶モジュールを追加したり、リアルタイムに値を変更したい場合は必要数のスイッチを追加する等も必要になります。
更にそれらをコントロールするコーディングも必要です。
それらが必要な仕様なら良いのですが、最終的に不要になる機能なら手間は省きたいところです。
そこで便利なのが仮想COMポートを介した通信です。
マイコンではUART(USRAT)と言い中規模以上のマイコンの多くは標準機能として備わっています。
標準機能ですから簡単な初期設定をプログラムすれば、PC・マイコンそれぞれでデータを送受信出来るようになります。
注意点としては小規模なマイコンの場合UART機能がない事があります。
その場合ソフトウエアでUARTを実装することも可能です。
まとめ
PCと通信出来ることで情報が無制限に表示できますから、問題の切り分けがし易くバグの発見がとても楽になります。
PC側からも様々な情報を送れるので、リアルタイムに挙動の変化が見られて開発効率が上がります。
マイコンのメモリに余裕があるなら、デバッグ用としてコードと配線パターンを残しておけば完成後にもやり取り出来てとても便利です。